遺伝子治療の方法には、患者さんの治療の対象となる細胞を取り出し、遺伝子導入して体内に戻す「体外法」と、患者さんの体内で遺伝子導入を起こすようにアプローチをする「体内法」の2種類があります。
具体的な治療内容として、体外法の事例を挙げてみましょう。
まず患者さんの骨髄から幹細胞を取り出し、正常な遺伝子を細胞に導入します。
正常な遺伝子を細胞の核のDNAに組み込み、細胞を特殊な方法で増やした後、患者さんの体内に戻す形になります。
近年では、海外での遺伝子治療の成功例が多く報告されている影響もあり、国の事業として、遺伝子治療が本格的に推し進められています。
ただ、研究費を国が補助してくれるようにはなったものの、研究者の人員が不足している問題もあるようです。
そんな遺伝子治療は、これまで難しいとされていた病の根本的治癒を可能にする希望のある治療法です。
将来的に国のサポートはさらに大きくなり、治療法が社会に浸透していくことが予想されます。
一般的に、遺伝子治療のメリットとして挙げられているのが、副作用が少ない点。
体力が少ない小さな子供や高齢者でも、無理なく治療ができる傾向にあります。
また、日常生活にほとんど支障が無い点もメリットです。基本的に点滴静注の治療となり、入院することなく通院だけで治療を完了させることが可能です。
ただその一方で、遺伝子治療は治療費が高額になりやすい懸念点もあります。
事実、遺伝子を扱う医療は自由診療扱いとなり、医療保険も高額療養費制度も適用されません。
その背景を知った上で、治療を受けるかどうかを検討する必要があります。